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仙葉豊著『さまざまなるデフォー』が出ました

『英国小説研究』同人の
仙葉豊先生の新著が出ました。
ぜひお読みくださいね102.png

仙葉豊
『さまざまなるデフォー』
関東学院大学出版会、2018年↓




目次

序章 「非国教徒処理の近道」と曖昧なるデフォー
第1章 身の上相談と小説の起源
第2章 幽霊実話「ヴィール嬢の幽霊」
第3章 デフォーにおけるフィクションの始まりと終わり
第4章 クルーソーとガリヴァー―実話からフィクションへ
第5章 疫病小説『ペスト』
第6章 『モル・フランダース』のカズイストたち
第7章 『カーネル・ジャック』とピカレスク小説の変貌
第8章 アンチ・ロマンスとしての『シングルトン船長』
第9章 『ロクサーナ』と悪魔の誘惑
第10章 「ジョナサン・ワイルド」と犯罪小説
終章


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by eikokushosetsu | 2018-04-25 19:47 | 英国小説研究同人

武田美保子著『身体と感情を読むイギリス小説』が出ました

『英国小説研究』同人の、

武田美保子先生の

新著が出ました。


ぜひお読みくださいね101.png


武田美保子著

『身体と感情を読むイギリス小説

――精神分析、セクシュアリティ、優生学』

(春風社、2018年)↓


目次

序章 身体と感情の二分法を越えて

I ヒステリー症
第1章 『ダニエル・デロンダ』のねじれ―「顔」が暴く豊穣なる亀裂
第2章 ギッシング小説におけるジェンダー化する身体への抵抗―反流行文士とヒステリー症

II 荒野と都市
第3章 耳と目から読む『帰郷』―歌劇の舞台としての荒野
第4章 『ジキル博士とハイド氏』の優生学的身体―人格と都市

III モダニズム小説
第5章 『ダロウェイ夫人』の「ひきつり」―優生学言説と小説技法
第6章 越境する身体―『ユリシーズ』の民族、女性、書物

IV 欲動
第7章 『モーリス』の内なるホモフォビア―精神と身体の均衡に向けて
第8章 「赤ずきん」物語と身体性―「狼たちの仲間」と内なる「狼」

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by eikokushosetsu | 2018-04-07 22:21 | 英国小説研究同人

横浜美術館「ヌード」展と三溪園

横浜美術館にて

「ヌード 英国テート・コレクションより」が

624日まで開催中です↓




ヴィクトリア朝から現代まで、

ということで、道徳的に厳しい時代の

ヌード作品って?と思い、行ってきました。


結果は、

19世紀後半のイギリスのヌードは、

神話や歴史から題材を取ることで、

批判されないよう工夫してました。


少し残念ですが、これは納得です。


展覧会の目玉は、ロダンの「接吻」。

この作品のみ、撮影自由。

二人が夢中になってるのが、伝わります。



ヌードといえば、

シャーロット・ブロンテの『ヴィレット』

1853年作。道徳的に厳しい時代)。


主人公ルーシーが、美術館で、

肥え太った「クレオパトラ」の

セミヌードの絵を眺め、


そこにポール先生(韓流ドラマみたいに、

最初は仲が悪く、後で両想いになる)が

やってきて、


「こんなもの、一人で見て」

「別に、平気ですけど」


みたいなやり取りをするんですが、


ブロンテとしては、

ここはちょっとドキドキしてね、

という場面だったのかも。


鈍感な私は、ドキドキせずに読んでいましたが。


ちなみに「ヌード」展には、

付き合いはじめらしきカップルはいませんでした。

そうですよね、感想も言いにくいし。



特別展の後に続くコレクション展も、

身体を意識した展示でした↓





日本では、江戸時代まで、裸体画というと、

日常生活で自然に服を脱ぐような場面、

春画、仏教の六道絵や

九相図の死体などしかなく、


美術ジャンルの「ヌード」は、

西洋から学んだそうです。


特別展にあった

ミレイの「ナイト・エラント」が、

コレクション展の方にもあって、

驚きましたが、


これは下村観山による模写でした。

こうやって学んだのですね。



コレクション展には、

原三溪(はら さんけい 1868-1939

ゆかりの作品のセクションも。


原三溪は、製糸・生糸貿易で

財をなした実業家。


横浜の本牧に、広大な日本庭園を造り、

客を招いたり、

一部を一般公開したりしました。


これが今は財団法人になっている三溪園。


よいところなのでご紹介しますね↓



まず驚くのは、その地形。

神奈川県特有の、

海のそばに山(丘)がある地形で、


園の中央部は平らで、

池もあるんですけど、

まわりが山になってます。


南門の外側から見ると、

bluffと英語で呼ぶにふさわしい、

ものすごい崖になっていて、


イギリス文化でいう

「崇高」の気配が。


南門の外側(まだ無料の地帯)には、

また別の池と中国風の建物があり、

それも立派です。



次に驚くのは、原三溪の財力。


母屋(?)が豪華なのはもちろん、

全国のあちこちから、

気に入った建物を買い取って、

園内に移築してあるのです。


白川郷の合掌造りの民家もあり、

中に入って、屋根裏にものぼれます。


大きな池も、時代劇のロケに使えそう。

溝口健二監督の『近松物語』みたい。


溝口健二『近松物語』(1954)。

このシーンの急展開は見事。

生物はこうなるのかも↓



近松物語 4K デジタル修復版 Blu-ray




三溪園は、元旦から開いていて、

無料でお琴などの邦楽演奏がきけます。


他にも盆栽の展示とか、

いろいろイベントがあり、

私が最後に行った時は、

日光猿軍団のステージが作ってありました。


もちろん、庭園ですので、

季節ごとに様々なお花も咲きます。



最後に、珍しいなと思うのは、

山上にある「松風閣」というゲスト用の家。


関東大震災で崩壊しましたが、

その跡に草がぼうぼうに繁り、


被災建造物に対して不謹慎な言い方ですが、

イギリス文化でいう

「ピクチャレスク」な趣が。


日本は木造建築が多いからか、

「雨月物語」風の廃屋はありますが、

ピクチャレスク寄りの風景は

あまりないので、貴重かも。


三溪園にいらっしゃる際は、

頑張って山登りして、

見てきてくださいね102.png


by 川崎


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by eikokushosetsu | 2018-04-04 10:18 | イベント情報