マーク・フォスター監督『プーと大人になった僕』(2018年)

マーク・フォスター監督の映画

『プーと大人になった僕』(2018年)を

見てきました↓






1926年に出たA.A.ミルン作、

E.H.シェパード絵の

『クマのプーさん』(1926年)が

原案の実写版です。


一番の感想は。。。

「大人のための映画だな」

次に「ある意味、こわいかも」


ディズニーの製作ですし、

吹き替え版もあるので、

小さい子用の映画でもあるでしょう。


でも、主人公のクリストファー・ロビン

(ユアン・マクレガー)みたいな大人の人は、

感じるところがあるのではないでしょうか。


この映画の最大のポイントは、

動物たちが、

ぬいぐるみであることだと思います。



原作では、一番初めに、

クリストファー・ロビン(ミルンの息子)が

ぬいぐるみのプーを連れて

階段をおりてきて


ミルンらしき「私」に、

「プーに何かお話をしてあげて」

とお願いして、「むかしね」とお話が始まります。


A. A. ミルン『クマのプーさん』石井桃子訳

岩波書店、2000年↓






そこからプーに生命が吹き込まれ、

森の仲間たちとの物語が展開します。



映画では、プーとその仲間たちは、

ずっと、見るからに、ぬいぐるみのまま。

(うさぎやフクロウはぬいぐるみじゃない設定)


表情も、それほど豊かじゃなくて、

だからかえって、

こちらの気持ちを自由に投影できる。


つまり、本物のぬいぐるみに

対するのと同じ効果がありました。


登場する動物のうち、

どれか一つのぬいぐるみを持っていて、

それを思い出した人も

多いのではないでしょうか。


ちなみに、主要登場ぬいぐるみは、

クマのプーさん

子豚のピグレット

虎のティガー

ロバのイーヨー

カンガルーの親子のカンガとルーです。


私も、生まれてからずっと、

大きな(80センチくらい)

クマのぬいぐるみをもってます。

名前は「くまさん」。


自分よりずっと背の高いくまさんを、

抱きかかえるようにして立っている

写真があったと思います。


そのうち、くまさんの首が

ぐらぐらになったので、

包帯をまいてあげました。



映画のプーが、もともと色が

明るいベージュだったのが、

古いぬいぐるみらしく

汚れているのを見ると、

しきりにくまさんを思い出し、


そういえば、自分にも、

あのくまさんより小さな頃があったんだと、

あたりまえのことを思い出しました。



ただ微妙なのは、

子供時代を思い出したからといって、

幸せな気持ちになるわけでもないこと。


映画のクリストファー・ロビンが

そうなんですけど、

プーたちと森で遊んだ

至福の子供時代が突然終わって、


学校に入って、結婚して

子供もできて、戦争に行って、

ロンドンで仕事の鬼になって、


そんな中、久しぶりにプーに会えたとき、

喜ぶというより、困ってしまうんですね。


そして忙しいからと、

一生懸命、森に帰そうとする。


つまり、子供時代の自分

(=大人の自分が持つ子供の部分)を

全力で抑圧しようとします。


映画の前売り券を買ったら、

ハガキ3枚がおまけでついてきたんですけど、

そのうち2枚に


Sooner or later, your past catches up to you


書いてある。


「そのうち過去が追いつくからね」って、

考えようによっては、怖いです。


子供時代の自分は、

かなり本来の自分だと思います。


だから、本当に好きなことを

我慢している人、本当は嫌いなことを

やっている人に、ある日突然、

子供の頃の世界が迫ってきたら、


クリストファー・ロビンと同じように、

困りますね。



最後はそれを乗り越えての

ハッピーエンドでしたが、

意外にも微妙な気持ちに

させられた映画でした。


見る人によるのでしょうか?

それから、小学生くらいの、

本物の子供が見ると、

どう思うのでしょうね?


見た人の感想が知りたくなる映画でした。


by 川崎


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by eikokushosetsu | 2018-09-14 21:49 | 映画と文学