横浜美術館「ヌード」展と三溪園

横浜美術館にて

「ヌード 英国テート・コレクションより」が

624日まで開催中です↓




ヴィクトリア朝から現代まで、

ということで、道徳的に厳しい時代の

ヌード作品って?と思い、行ってきました。


結果は、

19世紀後半のイギリスのヌードは、

神話や歴史から題材を取ることで、

批判されないよう工夫してました。


少し残念ですが、これは納得です。


展覧会の目玉は、ロダンの「接吻」。

この作品のみ、撮影自由。

二人が夢中になってるのが、伝わります。



ヌードといえば、

シャーロット・ブロンテの『ヴィレット』

1853年作。道徳的に厳しい時代)。


主人公ルーシーが、美術館で、

肥え太った「クレオパトラ」の

セミヌードの絵を眺め、


そこにポール先生(韓流ドラマみたいに、

最初は仲が悪く、後で両想いになる)が

やってきて、


「こんなもの、一人で見て」

「別に、平気ですけど」


みたいなやり取りをするんですが、


ブロンテとしては、

ここはちょっとドキドキしてね、

という場面だったのかも。


鈍感な私は、ドキドキせずに読んでいましたが。


ちなみに「ヌード」展には、

付き合いはじめらしきカップルはいませんでした。

そうですよね、感想も言いにくいし。



特別展の後に続くコレクション展も、

身体を意識した展示でした↓





日本では、江戸時代まで、裸体画というと、

日常生活で自然に服を脱ぐような場面、

春画、仏教の六道絵や

九相図の死体などしかなく、


美術ジャンルの「ヌード」は、

西洋から学んだそうです。


特別展にあった

ミレイの「ナイト・エラント」が、

コレクション展の方にもあって、

驚きましたが、


これは下村観山による模写でした。

こうやって学んだのですね。



コレクション展には、

原三溪(はら さんけい 1868-1939

ゆかりの作品のセクションも。


原三溪は、製糸・生糸貿易で

財をなした実業家。


横浜の本牧に、広大な日本庭園を造り、

客を招いたり、

一部を一般公開したりしました。


これが今は財団法人になっている三溪園。


よいところなのでご紹介しますね↓



まず驚くのは、その地形。

神奈川県特有の、

海のそばに山(丘)がある地形で、


園の中央部は平らで、

池もあるんですけど、

まわりが山になってます。


南門の外側から見ると、

bluffと英語で呼ぶにふさわしい、

ものすごい崖になっていて、


イギリス文化でいう

「崇高」の気配が。


南門の外側(まだ無料の地帯)には、

また別の池と中国風の建物があり、

それも立派です。



次に驚くのは、原三溪の財力。


母屋(?)が豪華なのはもちろん、

全国のあちこちから、

気に入った建物を買い取って、

園内に移築してあるのです。


白川郷の合掌造りの民家もあり、

中に入って、屋根裏にものぼれます。


大きな池も、時代劇のロケに使えそう。

溝口健二監督の『近松物語』みたい。


溝口健二『近松物語』(1954)。

このシーンの急展開は見事。

生物はこうなるのかも↓



近松物語 4K デジタル修復版 Blu-ray




三溪園は、元旦から開いていて、

無料でお琴などの邦楽演奏がきけます。


他にも盆栽の展示とか、

いろいろイベントがあり、

私が最後に行った時は、

日光猿軍団のステージが作ってありました。


もちろん、庭園ですので、

季節ごとに様々なお花も咲きます。



最後に、珍しいなと思うのは、

山上にある「松風閣」というゲスト用の家。


関東大震災で崩壊しましたが、

その跡に草がぼうぼうに繁り、


被災建造物に対して不謹慎な言い方ですが、

イギリス文化でいう

「ピクチャレスク」な趣が。


日本は木造建築が多いからか、

「雨月物語」風の廃屋はありますが、

ピクチャレスク寄りの風景は

あまりないので、貴重かも。


三溪園にいらっしゃる際は、

頑張って山登りして、

見てきてくださいね102.png


by 川崎


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by eikokushosetsu | 2018-04-04 10:18 | イベント情報